結論:竹鶴ピュアモルトは、やさしいスモーキーさとフルーティな余韻が共存する上品なウイスキー。
ストレートでは華やかで奥行きのある香り、ロックでは落ち着いた甘みと香ばしさ、ハイボールでは果実感が軽やかに広がります。
宮城峡のやわらかさと余市の力強さを合わせた、まさに「ニッカらしい調和」を感じる一本です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | ニッカ 竹鶴 ピュアモルト |
| 分類 | ジャパニーズウイスキー(ピュアモルト) |
| アルコール度数 | 43% |
| 容量 | 700ml |
| 定価 | 7,700円(税込) |
| 製造元 | ニッカウヰスキー株式会社 |
ブランドと背景
「竹鶴」は、日本のウイスキーの父・竹鶴政孝の名を冠したブランド。彼はスコットランドで本格的な蒸溜技術を学び、日本で“本物のウイスキー文化”を根付かせた人物です。
その情熱は「妥協のない本物づくり」そのもので、どんなに手間がかかっても理想の味を追い求める職人でした。
この竹鶴ピュアモルトを初めて飲んだとき、思わず「…あ、美味い」と声が出ました。
強いスモーキーさではなく、やさしく包み込むような香り。そこにフルーティな甘みが重なって、静かに広がっていく。まさに“余市の力強さと宮城峡のやわらかさ”が同居した、ニッカらしいバランスを感じました。
竹鶴政孝は、ウイスキーの本質を「ブレンドによる調和」と捉えていました。力強いモルトと軽やかなモルトをどう混ぜるか――その哲学が、この一本にそのまま生きています。飲むたびに、彼が理想とした“調和の美学”を感じるような味わいです。
2019年のリニューアル後は、以前よりもモダンでやわらかい印象に。ピート感は控えめになり、フルーティな香りが前面に。
実際に飲んでみても、角がなく、全体がとてもなめらか。スモーキーなのにどこか優しい――そんな“竹鶴らしさ”がより洗練された形で楽しめます。
製法と特徴
- 余市蒸溜所(北海道)と宮城峡蒸溜所(宮城県)という2つの個性をブレンド
- 余市原酒:石炭直火蒸溜による厚みとスモーキーな香り。芯の通った力強さが味全体のベースに。
- 宮城峡原酒:自然豊かな渓谷で熟成される、華やかでフルーティな香り。余市の個性をやさしく包み込むような印象。
- ノンチルフィルタード(非冷却ろ過)によって、オイル感や厚みを自然なまま保持。
- 熟成年数非公開ながら、長期熟成原酒を一部使用し、奥行きと丸みのある味わいに仕上げられています。
竹鶴ピュアモルトの最大の特徴は、やはり「調和」。
ピートの香りが主張しすぎず、全体のバランスを美しく整えています。時間が経つと、ウッディさから甘い果実の香りへとゆるやかに変化していき、まるで香りが層になっていくよう。
実際に飲んでいても、余市の骨太さと宮城峡の華やかさがひとつの流れの中で共存していて、“職人のブレンド技術”を感じました。
同じニッカでもブラックニッカなどのシリーズに比べると、香りの変化がより繊細で、飲むほどに静けさと深みが増していく印象。どこか「整えられた日本的な美しさ」を感じさせるつくりです。で、時間とともに表情が変化。飲み進めるごとに、木の温もりと果実の柔らかさが顔を出します。
テイスティングレビュー
実際に飲んで感じた印象を、スタイルごとにまとめました。
全体を通してやさしいスモーキーさと、果実のような甘い余韻が印象的。
ストレートは香り豊かで飲みやすく、ロックは落ち着いたコク、ハイボールは香りが華やかに広がります。
ストレート|やさしいスモークと果実のハーモニー
静かな夜にグラスを傾けるなら、まずはストレート。
グラスに注いだ瞬間、やさしいスモーキーさと共に、洋梨・青リンゴ・ドライフルーツのような華やかな香りがふわっと広がります。時間が経つと、バニラや蜂蜜のような甘い香りが顔を出し、奥行きが感じられます。
口当たりはなめらかで、モルトのコクと穏やかな酸味が調和。余韻にはほのかなスモークと果実の甘さが残り、じんわりと温かみのあるフィニッシュ。アルコールの角が取れており、どなたでも飲みやすい仕上がりです。
香り:ほのかなスモーク、洋梨、青リンゴ、バニラ、蜂蜜
味:やさしい甘み、軽やかな酸、モルトのコク
余韻:甘くやわらかく、フルーティな香りが長く続く

👉 「穏やかなスモークと果実の香りを楽しみたい方」におすすめ。
ロック|香りが落ち着き、なめらかなコク
氷を加えると、スモーキーさがやや控えめになり、代わりにウッディな香ばしさとバニラのような甘みが前に出てきます。
温度が下がることで、味が引き締まり、よりクリアで落ち着いた印象に。飲み口はすっきりしつつ、奥にしっかりとしたモルトの深みが感じられます。
時間が経つにつれて、甘みがまろやかに広がり、氷が溶けるたびに香りが変化。静かな時間を過ごす一杯としてもぴったりです。
香り:ウッディ、軽いスモーク、キャラメル、ナッツ
味:なめらかでコクのある甘み、穏やかな酸味
余韻:スッと消えて、木の香りとほのかな甘さが残る

👉 「落ち着いた大人の時間を過ごしたい方」におすすめ。
ハイボール|フルーティで香り高く、上品な余韻
炭酸を注ぐと香りが一気に花開き、青リンゴや白い花のようなフルーティな香りが広がります。スモーキーさはやや控えめになりますが、その分果実の甘みと清涼感が際立ちます。軽やかでバランスが良く、どんな料理とも合わせやすい万能タイプ。
油っぽい料理よりも、和食や塩気のあるつまみ(ナッツ、スモークチーズ、枝豆など)との相性が抜群。爽やかな余韻が後を引き、もう一杯飲みたくなる仕上がりです。
香り:フルーティ、白い花、軽いスモーク
味:すっきりとした甘みと酸のバランス、軽やかなモルト感
余韻:爽やかで短く、香りがふわっと残る

👉 「フルーティで香り高いハイボール」を楽しみたい方におすすめ。
他銘柄との比較
| 銘柄 | 特徴 | 定価(税込) |
|---|---|---|
| 竹鶴ピュアモルト | 軽やかなスモークとフルーティな余韻 | 7,700円 |
| 宮城峡 | 華やかでやさしい香り、初心者向き | 7,700円 |
| 余市 | 力強いスモークと厚みあるボディ | 7,700円 |
「余市は力強く、宮城峡は華やか」──その両者をちょうど中間で繋ぐのが竹鶴です。
香り・味わい・余韻すべてがバランス良く整っており、どんな飲み方でも破綻しない完成度。スモーキーすぎず、甘すぎず、毎日の晩酌にも飽きずに楽しめる一本です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 初心者でも楽しめますか?
A. はい。スモーキーですがやさしい味わいで、クセが少なく飲みやすいです。ウイスキーをこれから楽しみたい方にもおすすめできます。
Q2. どんな料理と合いますか?
A. 焼き魚や照り焼きなど和食全般、チーズやナッツとも相性抜群です。脂の多い肉料理よりも、だしの旨味を感じる料理やシンプルな味付けと好相性です。
Q3. 宮城峡や余市との違いは?
A. 竹鶴はその中間的なバランス型。余市の力強さと宮城峡の華やかさの“いいとこ取り”で、どんなシーンにも対応できる万能タイプです。
まとめ・おすすめポイント
- ほどよいスモーキーさとフルーティな余韻が絶妙
- ストレートでもロックでもハイボールでも完成度が高い
- 飲みやすく、どんなシーンにも合わせやすい
- プレゼントにも最適な上品なボトルデザイン
- ニッカらしい「ブレンドの哲学」を感じられる一本
総評:スモークと果実のバランスが美しい、ニッカの王道ピュアモルト。
飲むたびに新しい表情を見せてくれる、完成度の高い定番ウイスキーです。
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※本記事は筆者の主観に基づくレビューです。未成年者の飲酒・飲酒運転は法律で禁止されています。お酒は適量で。
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