結論:余市シングルモルトは、しっかりとしたスモーキーさと厚みのあるモルト感が魅力。ピートの香ばしさの奥から、後味にフルーティな甘みが顔を出すバランスが秀逸です。ストレートは香ばしく力強く、ロックは落ち着いてやさしく、ハイボールはフルーティで爽やか。宮城峡とは対照的な、“ニッカの芯”を感じる一本です。
基本情報
| 銘柄 | 余市 シングルモルト |
|---|---|
| カテゴリー | シングルモルト(ジャパニーズ) |
| 製造 | ニッカウヰスキー 余市蒸溜所(北海道) |
| アルコール分 | 45% |
| 容量 | 700ml |
| 価格目安 | 税込6,000〜7,000円前後(2025年時点) |
| キーワード | スモーキー, ピート, 厚み, 香ばしさ, フルーティ, ハイボール |
ブランドと背景
余市は、ニッカウヰスキーの原点ともいえる蒸溜所。創業者・竹鶴政孝が「スコットランドに最も近い環境を」と探し求め、選んだ地がこの北海道・余市でした。
寒冷で湿潤な気候、清らかな水、そして海から届く潮風──それらがウイスキー造りに理想的と判断され、1934年に建設が始まりました。
最大の特徴は、今もなお続く石炭直火蒸溜。炎で直接ポットスチルを熱するこの伝統的な製法は、現代ではほとんど姿を消した職人の技。
その火加減のわずかな違いが、余市の香ばしく厚みのある味わいを決めるとも言われています。
グラスに注ぐと、最初に立ち上がるのはしっかりとしたピート香。まるで焚き火の煙が静かに広がるような、深みのあるスモーキーさ。
それでいて飲み進めると、後半にはりんごやドライフルーツのような甘みがふっと現れます。
その瞬間に感じる「香ばしさと甘みのコントラスト」こそ、余市の魅力だと感じました。
華やかでフルーティな宮城峡に対して、余市は“力強く芯のある味わい”でニッカを支える存在。
職人の手仕事と自然が生み出すスモーキーな余韻は、まさに“ニッカの心臓”ともいえる一本です。
余市の特徴
- 力強いスモーキーさ: グラスに注いだ瞬間から漂うスモーク香。石炭直火蒸溜ならではの香ばしさが、焚き火や燻製を思わせます。飲み始めはしっかりスモーキーですが、熱を帯びるにつれて甘みがふわっと立ち上がり、「余市らしさ」が一気に広がります。
- 厚みのあるモルト感: モルトの旨みが芯にあり、ストレートでは力強く、ロックでは少し丸みを帯びて穏やかに。アルコールの刺激よりも、麦芽のコクや樽の深みがじんわり広がる印象です。
- スモークの奥に感じるフルーティな余韻: ピートの煙の奥から、りんごや洋梨のようなやさしい果実感が現れます。飲み込んだあとにふと残る甘やかな香りが心地よく、スモーキー一辺倒にならない立体感があります。
- ハイボールでも個性が崩れない: 炭酸を加えるとスモーキーさがやや落ち着き、代わりにフルーティさと樽の香りが引き立ちます。香ばしさと爽やかさのバランスが良く、燻製ベーコンや焼き鳥など香り系おつまみと抜群に合います。
テイスティングレビュー
実際に飲んで感じた印象を、スタイルごとにまとめました。
全体を通してスモーキーで力強い味わいが中心。ピートの香ばしさの中に、後味で感じるフルーティさが絶妙なバランスを作ります。
ストレートは余市らしいスモーキーさをダイレクトに、ロックは穏やかで落ち着いた印象に、ハイボールは香りが軽やかに広がりフルーティさが際立ちます。
ストレート|スモーキーさをダイレクトに味わえる
最初に感じるのは、しっかりとしたピート香。燻製のような香ばしさとモルトの甘みが重なり、口当たりは力強く厚みがあります。
余韻にはほんのりバニラとドライフルーツの甘みが残り、スモーキーさの中に優しさを感じる構成。
香り・味・余韻すべてがはっきりしており、「ニッカらしさ」を最も体感できる飲み方です。
- 香り:ピートスモーク、樽香、バニラ、焦がした麦芽
- 味:スモーキーで厚みがあり、ほんのり甘み
- 余韻:長く続くスモーキーさと軽い果実の甘さ

👉 「しっかりとしたスモーキーウイスキーを味わいたい方」におすすめ。
ロック|スモーキーさが落ち着き、穏やかな甘みとフルーティさ
氷を加えることで香りがやわらぎ、スモーキーさが少し落ち着きます。
冷えることで隠れていたフルーティな要素が前に出て、洋梨やドライフルーツのような香りがふんわり。
飲み進めると穏やかな樽の甘みが感じられ、ストレートよりもまろやかな印象に変化します。
- 香り:軽いスモーク、ドライフルーツ、木の香り
- 味:なめらかで、ほんのり甘く穏やか
- 余韻:スモーキーさがやさしく残る

👉 「スモーキーさを感じつつ、少し穏やかに楽しみたい方」におすすめ。
ハイボール|スモーキーさがやわらぎ、フルーティさが際立つ
炭酸を注ぐとスモーキーさがふんわり広がり、後からフルーティな甘さが顔を出します。
リンゴや洋梨のような香りが炭酸とともに立ち上がり、飲み口は軽快。
香ばしさと果実の甘みの対比が心地よく、食中でも最後の一杯でも活躍します。
- 香り:ピートスモーク、洋梨、樽香
- 味:スモーキーさとフルーティさのバランス
- 余韻:軽快でドライ、香ばしさが静かに残る

👉 「香りとスモーキーさを両立したハイボールを楽しみたい方」におすすめ。
どこで買える?価格と入手性
全国の酒屋や量販店、百貨店、ネット通販(Amazon・楽天市場など)で購入可能。
価格は税込6,000〜7,000円前後(2025年時点)が目安。人気銘柄のため在庫は変動しますが、定番ラインとして比較的入手しやすい部類です。
他銘柄との比較と選び方の目安
| 銘柄 | 特徴 | おすすめタイプ |
|---|---|---|
| 余市 | スモーキーで厚み。香ばしく力強い | 燻香や骨太な味わいが好き |
| 宮城峡 | フルーティで華やか。やさしく軽やか | 香り重視・食中ハイボール派 |
| フロム・ザ・バレル | 濃厚で飲みごたえ。ブレンドの完成度 | 濃い味・アルコール感の迫力が欲しい |
| ブラックニッカ ディープ | 手頃でスモーキー寄りのバランス型 | コスパ重視で燻香を楽しみたい |
よくある質問(Q&A)
Q:余市はどんな香りが特徴ですか?
A:しっかりとしたスモーキーさが特徴です。ピート由来の香ばしさの中に、ほのかにバニラや熟した果実のような甘い香りも感じられます。
Q:スモーキーすぎて飲みにくくありませんか?
A:思ったほど強烈ではありません。確かに香りは力強いですが、飲み口は意外とまろやかで、後半にフルーティさが出てくるため、飲み疲れしにくいバランスです。
Q:どんな飲み方がおすすめですか?
A:ストレートでは余市らしいスモーキーさを存分に楽しめます。ロックにすると香りが落ち着き、フルーティさが穏やかに。ハイボールではスモーキーさと爽やかさが共存し、肉料理と好相性です。
Q:どんな料理と合いますか?
A:燻製ベーコン、焼き鳥(たれ・塩どちらも)、ステーキ、チーズ、スモークナッツなど、香ばしい料理との相性が抜群です。ハイボールなら焼肉や照り焼き系ともよく合います。
Q:宮城峡との違いは?
A:余市はスモーキーで力強い味わい、宮城峡はフルーティでやさしい印象です。対で飲むと、ニッカが持つ二つの個性の幅広さを実感できます。
まとめ:おすすめポイント
- 力強いスモーキーさと厚みのある味わい ─ 石炭直火蒸溜が生む香ばしさは、まさにニッカの原点。
- スモークの奥に広がるフルーティな余韻 ─ 香ばしさと上品さの共存で、飲み飽きしない。
- 飲み方で表情が変わる楽しさ ─ ストレートは力強く、ロックは穏やか、ハイボールは爽やか。
- 宮城峡と飲み比べてこそ真価 ─ ニッカが描く“二つの個性”を体感。
重厚なスモーキーさの中に、ほのかな果実味と温かみを感じる余市。
一日の終わりに、照明を少し落としてゆっくり飲みたい。焚き火のような香ばしさの中に、ほんのり甘さが顔を出す——そんな「余市の時間」を楽しめる一本でした。
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※本記事は筆者の主観に基づくレビューです。未成年者の飲酒・飲酒運転は法律で禁止されています。お酒は適量で。
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